芝生を造る(芝生の特性と利用パターン)
もくじ暖地型芝草と寒地型芝草
芝草には多くの種類があり、大きく「暖地型芝草(夏芝)」と「寒地型芝草(冬芝)」に分けられ、 そこからさらに草種、品種が分けられます。芝生を造る際には、地域の気象条件や利用目的に適する品種を選ぶことが重要です。 また、いくつかの品種を混ぜて使用すると、それぞれの品種の欠点を補いあう効果や、 病虫害や異常気象に対するリスクを分散する効果が期待できます。
暖地型芝草(夏芝)
- 生育適温)25〜30℃
- 代表的な草種)ノシバ、コウライシバ、バミューダグラス、センチピードグラス
- 暑さ、乾燥に強いが、耐寒性は低い
- ノシバやコウライシバは15℃前後で生育が緩慢になり、10℃以下になると休眠する(地上部は枯れた状態)。 翌春温度が高くなってくると再び萌芽し、緑になるが、寒冷地では越冬できずに冬枯れしてしまうこともあるため、 注意が必要。
- ノシバやコウライシバはほふく茎で増えるため、張芝で造成されることが多い
- 除草剤などの表記で「日本芝」とある場合は、主にノシバやコウライシバのことをさす
寒地型芝草(冬芝)
- 生育適温)15〜20℃
- 代表的な草種)ベントグラス、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスク
- 1年中緑の芝生が維持できる
- 耐寒性に優れ、0℃以下でも枯れない
- 30℃を越す日が続くと夏枯れを起こす危険性がある
- ほとんどが種子で流通、2〜3種を混合して利用
芝草の利用パターン
暖地型芝草通年利用型
暑さ、乾燥に強いですが、耐寒性は低く、寒冷地では越冬できず、冬枯れします。
寒地型芝草通年利用型
一年中緑の芝生が維持できますが、30℃を越す日が連日続くと夏枯れを起こす危険性があります。
ウィンターオーバーシーディング(WOS)利用型
暖地型と寒地型の両方を使い分けて、一年中緑の芝生を維持する方法です。
暖地型芝草をベースに秋期に寒地型芝草の種子を播種(ウィンターオーバーシーディング)し、冬期間も緑度を保ちます。
寒地型芝草から暖地型芝草への切り替え(トランジッション)がスムーズに行われないと、
ベースの芝が傷み、大面積の被害となる場合があります。ベースの暖地型芝草には芝の傷みからの回復が早い品種を、
ウィンターオーバーシーディングに使用する品種には、一年生の品種や、耐暑性が低く、
春期の衰退が早い品種を選定することが重要です。
草種紹介
暖地型芝草(夏芝)
ノシバ |
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コウライシバ |
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センチピートグラス |
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バミューダグラス |
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ベントグラス |
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ケンタッキーブルーグラス |
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トールフェスク |
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ペレニアルライグラス |
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芝草植生種子特性一覧表
雪印種苗の芝生・緑化カタログより抜粋 ※画像クリックでPDFを表示 評価基準 ◎:最適または最強 ○:適または強 △:やや適またはやや弱 無印:不適または弱コート種子とは?
播種時に必要な肥料と殺菌剤を特殊な技術で紛衣したものです。以下のような利点があります。
- 1粒の重量が重く、種子が風の影響で飛散しづらいため、均一な散布ができます。
- 肥料分と殺菌剤をコーティングしているため、発芽定着率が向上します。
- コーティングに色がついているため、播いた種子を確認できます。
- 雪印の芝生・緑化カタログ 雪印種苗株式会社