オンラインショップ
Topic10

芝生を造る(芝生の特性と利用パターン)

もくじ

暖地型芝草と寒地型芝草

 芝草には多くの種類があり、大きく「暖地型芝草(夏芝)」と「寒地型芝草(冬芝)」に分けられ、 そこからさらに草種、品種が分けられます。芝生を造る際には、地域の気象条件や利用目的に適する品種を選ぶことが重要です。 また、いくつかの品種を混ぜて使用すると、それぞれの品種の欠点を補いあう効果や、 病虫害や異常気象に対するリスクを分散する効果が期待できます。

暖地型芝草(夏芝)

寒地型芝草(冬芝)

芝草の利用パターン

暖地型芝草通年利用型

 暑さ、乾燥に強いですが、耐寒性は低く、寒冷地では越冬できず、冬枯れします。

寒地型芝草通年利用型

 一年中緑の芝生が維持できますが、30℃を越す日が連日続くと夏枯れを起こす危険性があります。

ウィンターオーバーシーディング(WOS)利用型

 暖地型と寒地型の両方を使い分けて、一年中緑の芝生を維持する方法です。 暖地型芝草をベースに秋期に寒地型芝草の種子を播種(ウィンターオーバーシーディング)し、冬期間も緑度を保ちます。
 寒地型芝草から暖地型芝草への切り替え(トランジッション)がスムーズに行われないと、 ベースの芝が傷み、大面積の被害となる場合があります。ベースの暖地型芝草には芝の傷みからの回復が早い品種を、 ウィンターオーバーシーディングに使用する品種には、一年生の品種や、耐暑性が低く、 春期の衰退が早い品種を選定することが重要です。

草種紹介

暖地型芝草(夏芝)

ノシバ
  • 日本芝
  • 地上および地下ほふく茎をもつ
  • 粗剛で丈夫な芝生
コウライシバ
  • 日本芝
  • 地上および地下ほふく茎をもつ
  • 繊細な芝生
  • 生育が緩慢なため省力管理が可能
センチピートグラス
  • 地上ほふく茎をもつ
  • 葉幅は広くやわらか
  • 雑草侵入が少なく省力管理が可能
バミューダグラス
  • 地上ほふく茎をもつ
  • 繊細でやわらかい
  • 耐暑性・耐旱性に優れる
  • 栄養繁殖性のティフトンシバはすり切れ等の損傷からの回復に優れる
  • 種子繁殖性の品種でもティフトンシバ並の高品質な品種が開発されている

ティフトンシバとは?

 ティフトンシバは、バミューダグラスとアフリカギョウギシバとの交雑種で、ハイブリッドバミューダグラスとも呼ばれます。交雑種のため、種子の流通はなく、切り芝(ソッド)、ストロン苗、ポット苗などの栄養繁殖による造成となります。
 すり切れ等の損傷からの回復に優れており、主に関東以西で利用されています。一方、近年、種子繁殖性品種(リオ等)でも、ティフトンシバ並みの高品質品種が開発され、利用場面が更に増えています。 ※雪印種苗潟pンフレットより抜粋

寒地型芝草(冬芝)

ベントグラス
  • 地上ほふく茎をもつ
  • 繊細でやわらかい
  • 極度の低刈りや頻繁な刈込みに耐える
ケンタッキーブルーグラス
  • 寒地型芝草で最もポピュラー
  • 冷涼地域の芝生の基本草種として幅広く利用される
  • 地下ほふく茎をもつ
  • 繊細でやわらかい
  • 耐寒性が高い
  • 耐暑性・耐病性は品種間差が大きい
  • ターフの形成に長時間を要する
トールフェスク
  • 分げつにより繁殖
  • 葉は粗剛
  • 根が深く、根張りも強い
  • 土壌をあまり選ばない
  • 耐暑性・耐旱性・すり切れ抵抗性が高い
ペレニアルライグラス
  • 単年草
  • 分げつにより繁殖
  • 繊細でやわらかい
  • 発芽・初期生育が早い
  • 踏圧に強く幅広く利用される
  • 耐暑性・耐寒性は品種間差が大きい
  • 耐暑性が低い品種はウィンターオーバーシーディング用として利用される

芝草植生種子特性一覧表

雪印種苗の芝生・緑化カタログより抜粋 ※画像クリックでPDFを表示
評価基準  ◎:最適または最強  ○:適または強  △:やや適またはやや弱  無印:不適または弱

コート種子とは?

 播種時に必要な肥料と殺菌剤を特殊な技術で紛衣したものです。以下のような利点があります。