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植物を元気にする

土壌のはなし

土壌の三相構造

 空気(酸素)や水は多くの生物にとって必要不可欠な物質です。 日中は光合成(二酸化炭素を吸収して酸素を排出する活動)が活発なため目立ちませんが、 植物は常に呼吸(酸素を吸収して二酸化炭素を排出する活動)を行っています。 もし土壌中に空気(酸素)がなければ、植物の根は呼吸ができなくて窒息死してしまいます。 また、土壌中に水がなければ、植物はしおれて枯れてしまいます。

 土壌の構成要素のうち、“土壌粒子などの固体・水・空気やガス”をそれぞれ“固相・液相・気相”とよび、 この3つをあわせて“土壌の三相”といいます。
 この三相の割合(容積に対する割合)は、土壌によって異なり、適度な湿り気の畑の土では、 固相40%、液相30% 、気相30%くらいの割合となっています。 砂地や人工的に造成した土地では、固相の割合が著しく高い場合があり、固相が多いと、 それだけ土壌中に存在できる空気や水の量も少なくなってしまいます。

 土壌中の水や空気は、土壌粒子などの固相のすきま(孔隙)に存在しています。 植栽地において、人がよく通る場所では、踏圧によって地面が踏み固まり、土壌中のすきまがなくなって、 通気性や透水性が悪化することがあるので注意が必要です。

土壌の三相

土壌の構成要素と構造

 土は、“岩石が細かく砕けた粒子”と、“腐植(生物の遺体や排泄物など)”から成っています。 土の粒子はその大きさによって、“れき、粗砂、細砂、微砂、粘土”に分けられます。 そして、これらの粒子や腐植がどのような割合で含まれているかによって、土の性質は変わってきます。

 土の構成要素のなかでも、“粘土”と“腐植”は、植物に必要な栄養を土の中に留めておくのに、 とても重要な役割を果たしています。
 粘土と腐植は土の中で結合して、「粘土腐植複合体」というコロイド(微粒子)となります。 このコロイドの表面はマイナスの電気を帯びていて、植物の栄養のうち、プラスの電気を帯びているもの(陽イオン)と結合して、 栄養が水に流されるのを防ぎます。
 陽イオンを結びつける量や強さは、コロイドを構成している粘土や腐植の種類と量で変わります。 特に腐植には、たくさんの陽イオンを保持する特性があります。

土の生成 コロイド

 土の構成要素の内容だけでなく、“土の粒子の並び方(構造)”によっても、土の性質は変わってきます。

 土のコロイドが集まって微小団粒となり、さらにそれが集まってしだいに大きな微小団粒となるのを繰り返して、 最終的に0.2mm以上の団粒となった状態を、“団粒構造”といいます。 一方で、コロイドやその他の粒子がそのまま重なって固まっている状態を“単粒構造”といいます。 この二つの構造の大きな違いは、“毛管孔げき”があるかどうかです。

 土の中の孔げき(隙間)には、植物にとって欠かせない水や空気が含まれています。 毛管孔げきとは、水を留めておくことができるほど細い孔げきのことで、団粒の内部に存在し、 多いほど保水力が高くなります。
 一方、毛管孔げきよりも太い孔げきは非毛管孔げきといい、大きな団粒と団粒の間に存在し、多いほど排水が良くなります。

 植物を育てる場合は、孔げきが多く、そして毛管孔げきと非毛管孔げきがほぼ同じくらいあるのが理想的です。 つまり、団粒構造が発達しているほど良い土といえます。しかし、団粒が大きすぎると、非毛管孔げきが多くなり、 保水力が低下するので、団粒の直径は1〜5mm程度がよいとされています。
 団粒構造は、粘土や腐植が多い土で作られやすいため、団粒構造を発達させるためには堆肥を施すと良いでしょう。

団粒構造

サッチとドライスポット

 土壌透水性の悪化の原因は様々ありますが、芝生地では、 “サッチの集積・土壌の固結・ドライスポットの形成”などが原因として考えられます。

 “サッチ”とは、枯れた芝や刈込の際に発生した芝かすが、芝の根元にたまって層になったものです。 厚く集積したサッチは、降雨をはじいて土壌への透水を妨げたり、逆に水を吸収して通気性を悪くしたりします。 さらに、水を吸収したサッチは病原菌や藻の繁殖・生育場所になることがあります。
 こまめなサッチの除去(サッチング)は、芝の健康な生育に欠かせません。 サッチングを行う時期としては、雨の多くなる梅雨前が適しています。

 “ドライスポット”とは、芝生土壌にできる透水性が悪化した部分のことです。 土壌粒子表面に疎水性(水となじまない性質)の腐食酸が付着するためにでき、 微生物により細かく分解された有機物が原因と考えられます。 砂が90%以上の土壌で発生しやすく、特に夏場の高温・乾燥が続いたときに見られます。 また、フェアリーリングに伴って現れることもあります。

 ドライスポットでは水不足のため芝が茶色く枯れてしまいますが、 見た目だけでは病害(特に炭素病)との識別が難しい場合があります。 そのような場合には、異変がある箇所に散水した後、土壌断面を作成して、 部分的に湿っていない箇所があるかどうか確認してみるとよいでしょう。

サッチ ドライスポット
透水性悪化の原因 対  策
サッチの集積
  • サッチの除去(サッチング) ※梅雨前に行うとよい
  • 微生物資材によるサッチの分解
土壌の固結
  • エアレーション
  • コアリング
ドライスポット
  • 浸透剤の使用
    ※エアレーションやコアリングの後の使用、降雨時の使用が効果的

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